『Airtable』というクラウド型データベースが使いやすい
Airtableというクラウド型のWebデータベースサービスがあります。
データベースはクラウドに保存され、ブラウザで動作します。
また、macOS,iOS,Android,Windowsのアプリも用意されています。
唯一の難点は日本語でのサポートが無いという点です。全て英語です。
内部的には日本語も保存できますので、機能が解ってしまえば問題ありません。
Airtableの使い方
アプリの開発もブラウザや上記アプリ上で出来、簡単にクラウドで動作するデータベースを開発することが出来ます。イメージ的には『kintone』の開発に近いです。または、古い例えですが、『Bento』をイメージする人もいるかもしれません。
Airtableのホーム画面は下記の様になっています。この画面でテンプレートから作成したり、空っぽのBase(=アプリ)から作成します。
※FileMakerで言う1ファイルをBaseと言います
「日報」を例にとって説明します。
一覧表示は下記のようになります。AirtableではFileMakerで言う所のレイアウトを「View」と呼び、レイアウトと検索条件とソートを一緒に定義することが出来ます。
例えば、カテゴリが「新規」のみで日付の新しい順で並んだViewを定義することができます。Viewは「Grid」「Form」「Calendar」「Gallery」「Kanban」が存在します。
FileMaker で例えると、レイアウト切り替えすると検索とソートが同時に実行されるイメージです。
フィールドの追加は簡単で、Grid Viewの左端をクリックすることでFileMakerで言う所のフォーム形式がカードウインドウで表示されます。下の方にある「Add a field to this table」というボタンを押して、追加するフィールドを選択します。
追加できるフィールドがユニークで、テキストや数字、日付の他にレーティングや電話、バーコード等も用意されています。
(この辺は今後、別のブログ記事で紹介していきます)
FileMakerでは作るのに手間がかかる月間カレンダー表示を標準でサポートしています。
日付をクリック→その日付でレコードを作成
という機能が出来上がります。
※iOS版ではこのViewはサポートされていません
AirtableのiOS画面
iOS版の画面が下記になります。
嬉しい機能は、左の日付フィールドを固定して、横方向にスクロール出来る点です。
電話をタップすると電話アプリが起動し、そのまま電話をかけることが出来ます。
Airtableの共有&権限機能
一人で使う分に十分な機能を持っているのですが、共有して使うことも簡単に設定できます。アプリ(Base)を作ってから、画面右上の「SHARE」ボタンを押すと共有設定画面が表示され、招待することが出来ます。
権限も下記4つが設定出来るので、勝手にフィールドを増やされてしまうことを制限することも出来ます。
Creator(完全アクセス権)
Editor(レコードへの編集のみ)
Commenter(コメントのみ記入可能)
Read only(閲覧のみ)
さらに、Webに公開するリンクを作成して、下記の様にブログに埋め込むことも可能です。
(日報を公開することは無いと思いますが、営業日や在庫状況なんかは良さそうですね)
本当にざっくりですが、大まかな機能を説明しました。
今回紹介した機能はほんの一部ですので、今後ブログで解説していきたいと思います。
Airtableの価格
気になる価格ですが、下記のようになっています。(2019/04/20時点)
一番安いプランで年間契約で120ドル/年となります。(月間契約は12ドル/月)
しかし、FREE(無料)プランも容易されています。
1アプリ(Base)に1200レコード、添付ファイルは2GBまでですが用途や運用次第では十分に活用できるでしょう。
AirtableはREST APIでアクセス出来る
さて、Airtableを紹介した理由には実はFileMakerとの連携がしやすいという点があります。Airtableには無料プランでもREST APIでアクセスすることが出来ます。
下記のように各Base(アプリ)毎のサンプルAPIを確認することができますので、最初のハードルさえ超えれば比較的簡単にFileMakerと連動することが出来ます。
FileMakerを他社の方に使ってもらうには・・・
FileMakerプラットフォームにおけるシステムの運用で困った点があります。
FileMakerプラットフォームはローカルで社内の人で使う分には申し分ない力を発揮するのですが、他社の方に使ってもらおうとした場合に困った事が起きます。
例えば、他社の方に外部からアクセスしてもらって書き込んでもらう場合を考えてみましょう。
シチュエーション的には、「他社の方が商品情報を参照する」「他社の方が現地調査の写真とコメントをアップロードする」を想定してみて下さい。
解決する手段としては下記があります。
同時接続ライセンスを購入してWebDirect or FileMaker Goでアクセス
カスタムWeb
ライセンスを買ってもらってFileMaker Pro でアクセス
FileMaker Data API経由でアクセス
1.同時接続ライセンスを購入してWebDirect or FileMaker Goでアクセス
同時接続ライセンスが高い(5ユーザ¥294,000税別/年間) ※ライセンスの組織外の方はFileMaker Proでアクセス出来ません
社内にアクセス出来るネットーワークの設定をするか、外部にサーバを置かなければなりません
2.カスタムWeb
技術的なハードルが高い
社内にアクセス出来るネットーワークの設定をするか、外部にサーバを置かなければなりません
3.ライセンスを買ってもらってFileMaker Pro でアクセス
他社の方用のライセンスを購入する必要がある
社内にアクセス出来るネットーワークの設定をする、外部にサーバを置かなければなりません
4.FileMaker Data API経由でアクセス
FileMaker Data API経由でアクセスするアプリの開発が必要
社内にアクセス出来るネットーワークの設定をする、外部にサーバを置かなければなりません
FileMaker Cloudを契約して他社の方にライセンスを購入してもらうのが技術的には一番優しそうですね。
AirtableとFileMakerを連携させる
自社のFileMaker Serverに他社の方を直接アクセスさせようとするとハードルが高いのですが、Airtableを間に入れるとFileMakerのライセンスの問題はクリアされます。REST API経由で連動させればいいのです。
ただし、リアルタイムというのは難しく、社内のFileMakerの同期するスクリプトを実行する必要があります。あまりにリアルタイム性が必要な情報は運用を考える必要があります。Airtableは更新があった場合にSlackへ通知する機能がありますので、そちら上手く活用するのもいいでしょう。
社外の方が使わない場合でも、この仕組みを利用すればFileMakerのライセンスを節約できるでしょう。
例えばFileMaker プラットフォームを使うほど複雑な機能は不要の場合(日報や現地調査等)。
もし、Airtableをちょっと試してみたいと考えた方は下記イベントでワークショップを開催します。ご興味あればご参加下さい。
ビジネスアプリMyスタイル(=ビジスタ)
2019年5月24日(金)大阪産業創造館
https://www.bizapp.osaka/workshop19
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